この度、みなとがAsahi.comに紹介されました。
これは朝日新聞記者のNIEスタッフの玉木ゆりさんの記事です。
たまたま玉木さんがスターダストに来られたときに、
みなとをすっかり気に入って、記事にしてくれました。
ほかにも、asahi.comに玉木さんの記事が載っているので見てみてください。
21世紀のねこ「たまき花」 October 24, 2002 | |||
猫の日々(最終回) |
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バー「スターダスト」の看板猫・みなと君は、カウンターに陣取り、ガラス越しに夜景を眺めていた(写真下、店のホームページから転載)。 撫でても、手の肉球をいじっても、我関せずとまったく相手にしてくれない。遠くチラチラする港の灯りを、泰然と見続けている。 「12歳よ。人間でいえばもう70歳とか80歳とか……でも人間なら、なんて考えるの意味ないですよね」と、ママさん。 JR東神奈川駅近く、サザンオールスターズの歌にもうたわれたバー。時間が止まったようなオールドファッションの店内で、みなと君は、朝も昼も夜も暮らしている。 初代猫「みらい」が、店の外で車にひかれて命を落とした後、新橋の焼き肉屋から生後3カ月でもらわれてきたという。 少し前から糖尿病を患っているものの、色つやよく、どっしり。もう1人のマスターと呼ばれ、常連客らに大事にされている。 それにしても、12年間、毎夜のカウンター番。どんなにたくさんの人間を見てきた?どんな物語があった?聞いてみたい。 ……などと思いながら、深い目をのぞき込んでいて、数カ月前に入ったペットショップを思い出した。 アルマジロやイグアナ、キツネザルなどが「触って買える」というすごい店。隅の檻の中、なぜか大きな長毛の猫が2匹、並んでうずくまっていた。 目が合うと、茶トラはすがるような瞳で見上げ、黒猫はスッとそらせて下を向く。悟ったような、哲学的な感じのする目だった。 買われていくには明らかに育ちすぎていた。一体、どんな経緯でこんなところに連れてこられ、いつからこうしているのか。これからどうなるのか。 猫との別れ際、私は必ず「元気で長生きするんだよ」と言うことにしているのだけれど、この2匹には言いようがなかった。 バーで一生を送るみなと君、ショップの猫。同じ猫に生まれても、その猫生、瞳に映る世界はあまりにいろいろだ、と思う。流れる時間の長さも意味も、違うことだろう。 そして花(写真下)。みなと君と同じ年なのに、部屋の中だけで世間知らずに生活しているせいか、相変わらず子どもっぽいまま。 この間、ちょっと気になることがあって獣医さんに連れて行ったら、異常なし、健康そのものだったが、フーッと先生に思い切り吹いて「若いですねえ」と呆れられてしまった。 1日に20時間は眠り、家具やカーテンを遊具にして飛び回り、四六時中、何か主張している。 ただ存在するだけでコラムになり、ネットを通じて1年10カ月、世界中に発信させてくれた。 「まったく猫というヒトたちは……」と、改めて考える。 長い間、ご愛読、ありがとうございました。再見。 |